水疱性類天疱瘡とは

1.自分のかかった指定難病「水疱性類天疱瘡」について、

水疱性類天疱瘡は、かゆみの強い赤い斑点(紅斑)、水ぶくれ(水疱)が全身にできる皮膚の自己免疫性疾患です。

原因は不明だが、何らかの理由により、肌の『表皮』と『真皮』の間にある、基底膜のタンパク質『BP180抗体』を異物として攻撃する自己抗体『抗BP180抗』」が作られ、タンパク質を壊してしまいます

これにより表皮と真皮が離れてしまい、剥がれた部分に水が溜まり、皮膚に水疱やびらんができたり、紅斑ができたりします。

自分の症状の写真をいくつか載せます。タップするとモザイクが剥がれます。気持ち悪いので注意。

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高齢者に多くみられ、ごくまれに若い人や小児にも発症することがあります。 

日本では1万5000~2万人ほどの患者さんがいると推定されていますが、軽症を含めると実際はそれ以上の患者数になると見込まれます。高齢人口の増加により、今後さらに増加すると考えられています。


自己免疫性疾患なので、うつる病気ではなく、現在分かっている範囲では遺伝による発症もありません。

原因や何をすると酷くなるかなどは不明です。

水疱性類天疱瘡の症状

全身に、強いかゆみを伴う紅斑や水疱、水疱が破れた後のびらん、びらんが治った後の色素沈着、瘢痕(はんこん=傷などが治った後に残るあと)が多発し、これらの症状が入り混じった状態がみられます。

全身にびらんが多発するため、症状が重いと、体液や血液が体外に出ていって低栄養や貧血を起こします。それが改善されず徐々に状態が悪化すると、びらんからの細菌感染症による敗血症を起こし、命にかかわることがあります。
また、内臓悪性腫瘍を合併することがあります。

また、治療によりステロイドを大量に投与するので、ステロイドの副作用により、

・免疫力の低下

・糖尿病

・不眠

・メンタルの不安定化

・骨粗鬆症

が発生します。

水疱性類天疱瘡の治療法

ステロイド薬を内服します。その日に新しくできた水疱の数や、皮膚症状の面積などで、軽症・中等症・重症などを診断して、薬の量が決まります。

軽症であれば、抗菌薬のテトラサイクリンとビタミンB群の一種であるニコチン酸アミドを併用して内服するだけで治ることがあります。


中等症から重症であれば、テトラサイクリン、ニコチン酸アミドを併用しながら、ステロイド薬(プレドニゾロン20~30mg/日)を内服します。


非常に重症の場合は、ステロイド薬を大量に点滴するパルス療法、ステロイド薬以外の免疫抑制剤の投与、血液中の血漿だけを交換する血漿交換療法、免疫グロブリン製剤の注射などを行なうことがあります。

ステロイド薬の内服でほとんどの人は治りますが、水疱性類天疱瘡の患者さんは高齢者が多いため、長期の内服に伴う合併症によって命にかかわることがあります。

自分の行った治療経過

初回入院

重症の状態で入院し、ステロイド30mgの内服を開始。しかし、3日間で効果が見られず50mgに増量。さらに3日間様子を見たが改善せず、ステロイドパルス療法に進むことが決定。

ステロイドパルス療法(1日1000mgのステロイドを3日間点滴投与)を実施。一定の効果があり、新たな水疱の発生が落ち着いたため点滴を終了。

その後、ステロイド50mgの内服を継続し、2週間ごとに5mgずつ減量。30mgまで減量した時点で退院。

再入院

退院2週間後の初診時、新たな水疱が多数確認されたため再入院。

再びステロイドパルス療法(1日1000mg×3日間)を実施し、その後ステロイド30mg内服に移行。

しかし、1週間経過しても新たな水疱の発生が続き、むしろ増加。次の治療として血漿交換を行うことが決定。

ただし、転院先のベッドがなかなか空かず、その間も水疱の新規発生が増え続けたため、1週間30mgで内服していたステロイドを50mgに増量。増量後、新たな水疱の発生がやや落ち着く。

50mgを1週間継続した後、転院が決定。

転院後の治療
• 血漿交換を1回実施 → IgGの数値が良好に低下
• 免疫グロブリン療法を併用し、下がったIgGを補充
• 治療中のステロイドは50mgの内服を継続

その後、徐々にステロイドの量を減量し、現在は35mg内服中。

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